トレジャーハント ローマと争いし者 3/3
2013/02/20 21:03:07 |
トレジャーハント |
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トレジャーハントの紹介、第9回は「ローマと争いし者」。
15世紀第1期・第5期から出現したトレジャーハントとなっています。
「ローマと争いし者」のレリックは3つで、今回はそのうちの「ピュロス」を紹介します。
「ピュロス」
必要スキルは、探索7 考古学9 ギリシャ語。
発見場所は、アテネ西(アテネ街中の南側郊外)の奥地、オリンピア地方です。
目的地は南西の斜め岩ですが、3箇所あるので、特にメモを使う場合は間違わないようにしましょう。
遺跡沿いに西に真っ直ぐ進み、1つめの斜め岩を無視して、次の遺跡の先を南西方面に折れます。
アイテムの「ピュロスの軍学書」は戦術+2のうえ、使用時効果も戦術という、なんだか笑える仕様。
でも即道具屋行きでしたw
「ピュロス」と聞いてすぐに思い出すのが「ピュロスの勝利」という言葉でしょうか。
それほど有名な言葉でもないのですが、戦記好きの人ならば、何度か目にしたことがあるかもですね。
それでも本人の名前より、こちらのほうが有名かもしれません。
「ピュロスの勝利」は、割に合わない勝利と訳されます。
過去から近代に至るまで、こういう戦闘はたくさんあったようです。
僕が「ピュロスの勝利」で最初に思い出すのが、
漫画「マスターキートン」の、「カルーンの鷲」のエピソード。
湾岸戦争を舞台に描かれた話で、古い単行本だと8巻に収録されています。(現在の単行本は知りません)
劇中のイランイラク戦争当時の回想で、
イラク軍のカルーンの鷲との異名を持つラジー少佐が指揮するのは戦車部隊。
イランの石油施設を攻めるイラク軍は、湿地帯と、その先にあるトーチカに阻まれています。
そこでカルーンの鷲は、40台の戦車を湿地帯に進軍させます。
戦車は次々に撃破され沈んでいきますが、その戦車を踏み台にして次々に戦車を進ませました。
そして、石油施設を破壊したときに残っていた戦車は、わずか3台でした。
カルーンの鷲はフセイン大統領に言い放ちます。
「大統領、お喜びください。偉大な戦果です。私の予想より2台も犠牲が少ない。」
カルーンの鷲は、抵抗が無い状態であれば、石油施設を戦車1台で破壊できると考えていたわけですが、
その石油施設1箇所の破壊に、戦車37台の損失は、割の合わない勝利といえるでしょう。
と、余談から入りましたが、ここから本題です。
余談から入ったのはですね・・・今日のは本当にややこしいからw
「ピュロス」は、共和政ローマ時代の人物です。
アレクサンドロス大王の戦術を理解し、それを引き継ぐかたちで、
戦術の天才として名を馳せたとされています。
彼が出生した当時は、ギリシャ中部を中心としたマケドニア王であったアレクサンドロス大王が死去し、
その後継者をめぐって戦われていた、長く続くディアドコイ戦争の真っ最中でした。
ピュロスはギリシャ西部のエピロスの王でしたが、国内で反乱がおこり国を追われます。
その後、当時のマケドニアを頼り、マケドニア王デメトリオス1世の元、
ディアドコイ戦争最大の戦いであるイプソスの戦いに参戦し勇名を馳せますが、
デメトリオス1世は大敗。ピュロスはエジプトのプトレマイオス1世の元へ人質として送られます。
そこで、プトレマイオス1世の娘アンティゴネと結婚し、
プトレマイオス1世の後ろ盾により、エピロス王に復帰します。
その後、プトレマイオス1世の後ろ盾の元、かつて頼ったマケドニアに侵攻し、これに勝利。
マケドニア王となります。
しかしすぐにトラキアに攻められ、マケドニアを追われて、エピロスに撤退します。
エピロスに戻ったピュロスは、イタリア半島最南端にあるギリシャの植民都市ターラントから
救援の願いを受けます。
当時のローマは、イタリア半島の統一が、ほぼ完了する時期。
残るはイタリア半島最南端にある、ターラントのみという状況で、
イタリア半島の統一に向け南下したローマにより、ターラントは侵攻を受けていました。
ピュロスの目的はマケドニアの再征服でしたが、現在の財力ではそれは不可能であり、
それならばターラントを助けて南イタリアを征服し、シチリアのカタルゴを征服すれば、
マケドニアを再征服できると考えたとされます。
ピュロスがマケドニアを追われた頃、エジプトのプトレマイオス1世は、
次男のプトレマイオス2世に王位を継がせ、長男のプトレマイオス・ケラウノスを追放し、
ケラウノスは、トラキアとマケドニアの王リュシマコスを頼ります。
しかし、ケラウノスはシリア王を焚き付けてトラキアを攻めさせ、リュシマコスを戦死させます。
そのうえで、シリア王を暗殺し、自分はマケドニアの王位に就きます。
そして、自分の娘をピュロスに嫁がせ、同盟を結びます。
さて、ピュロスは、ケラウノスなどから軍資金や兵を借り、ターラント救援に乗り出します。
戦術を駆使して戦うピュロスの軍は強く、数に勝るローマ軍を退けることに成功します。
しかし、この勝利をもっての講和条約に臨みますが、ローマはこれを拒否。
2回目の戦闘が開始されます。
この2回目の戦闘に関しても、ローマ軍を退けることに成功します。
しかし、遠征軍のピュロスの損耗は非常に大きく、エピロスの兵士と将軍の大部分を失う結果となり、
多大な損害を払ったわりに得られたものの少ない状況となってしまい、
これが後に「ピュロスの勝利」と呼ばれるようになります。
この戦いの後、シチリア諸都市からはカタルゴの排除の要請があります。
また、時を同じくして、マケドニア王のケラウノスが、ガリア人に攻められ戦死するに至り、
マケドニアからは王位に付いてほしいとの要請があります。
ピュロスは、悩んだ末に、少数の守備隊をターラントに残し、シチリアへ赴きます。
この行動は、自分の版図を広げたかったからだといわれています。
シチリア諸都市からの援軍を得たピュロスは、シチリアのカタルゴ排除に乗り出し、
シチリアのカタルゴ勢力のほとんどを駆逐します。
しかし、傲慢な振る舞いがシチリア諸都市の反感を買い、ターラントへの撤退を余儀なくされます。
このピュロスが不在の時期を突き、ローマは戦力の立て直しを図っており、
ピュロスがターラントへ撤退したことを察知したローマ軍は、迎撃のためローマから南下。
ピュロスもこれにあたるために北上して、3回目の戦闘が行われます。
これにピュロスは大敗し、イタリア半島から撤退、エピロスへ帰国します。
ローマはそれにより、ターラントを占領し、イタリア半島統一を成し遂げます。
エピロスへの帰国後、かねての要請を受け入れ、マケドニアへと攻め入ると、
マケドニア王に就いていたアンティゴノス2世を追放し、ピュロスはマケドニア王へと返り咲きます。
しかし、その後追放したアンティゴノス2世に攻められるなどの不運が続く中、行軍中に暗殺されました。
____________________________________________
「ローマと争いし者」として登場のピュロスですが、
どちらかというとディアドコイ戦争の絡みでローマと関係した程度なんですよね。
当時はローマもまだ力がなかった頃ですし。
しっかしまあ、前々からプトレマイオス・ケラウノスは大概な人だと思っていましたが、
実はピュロスも大概な人ですよねw
この当時は、これが普通だったんでしょうね。
まあそれにしても、ややこしいですね。
僕も、このあたり勉強不足だったので、いろいろ調べながら勉強になりました。
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