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映画 空母いぶき を観てきました

2019/06/09 21:00:00 | 映画・アニメ | コメント:5件

今日は朝から、映画「空母いぶき」を観てきました。

僕は、作者のかわぐちかいじ氏の漫画が好きで、

「沈黙の艦隊」「太陽の黙示録」「ジパング」そして「空母いぶき」など、

いろいろなものを読んできました。

徹底した軍事データと、時代考証や地政学考証、そして政治家の人間模様など、

緻密に計算されたストーリーで、どんどん引き込まれていきます。

そんな、かわぐちかいじ氏の初の実写映画化ということで、必ず観に行こうと思っていました。



この映画、総理大臣役の、佐藤浩市氏が、インタビュー記事で述べたことが炎上し、

出だしとしては、あまり良くない雰囲気から始まりました。

でもまあ、作品と役者さんの思想は関係ありませんですから、好きに発言されればいいので、

僕としては、特に気になるほどでもありませんでした。



・・・が!

映画開始直後から、驚きの連続で・・・。

いわゆる原作改変がすごすぎました。

ネタバレ含むので読みたくない人は、これ以上読まないでくださいね。



IMG_3127.jpg



まず、原作では、攻め込んで来るのが中華人民共和国のところが、

なにやら架空の島国になっていて、そこで民族主義が燃え上がり、

「東亜連邦」なる呼び名となったとか、最初に文面で紹介されます。

おもっきり中国さまに配慮しているのが、開始直後から分かります。



原作で攻め込まれるのは、与那国島で、多くの島民が捕虜になりますし、

同時に尖閣諸島も制圧されてしまうのですが、

このあたりも、波留間群島の初島という島に改変されてしまっています。



次に、「東亜連邦」国の位置は、フィリピンの東あたりであって、

日本とは国交を結んでいません。

そして軍備は、島国なのに、「ミグ35」を60機搭載する空母を有しており、

複数の潜水艦と、複数の駆逐艦を有し、この駆逐艦は、日本全土が射程に入る

長距離ミサイルを装備しているというから驚きです。

いやはや、すごい国力を持つ国に攻められたものです。

あまりにも、中国さまに配慮しすぎて、もうSFになってしまっています。

ここまでするなら、日本も日本じゃなくて、架空の国ジャパンぐらいしておけばいいのにw



次に驚くのが、空母に記者さんが同乗していること。

まあ、漫画「ジパング」でも従軍記者のような記者が同乗していますけど、

これは空母いぶきの原作にはありません。

それでこの記者さん、自由に取材して、勝手にネットに流すという、

恐ろしいことを平気でやってのけます。

作戦行動中に、隠し持っていた衛星携帯電話を使ってデータを送信するとか、

めちゃくちゃな設定で、その映像が元で、日本国民に戦闘が起こっていることが

広まってしまいます。

そこまでやったうえ、帰還指示を受けても「残りたい」と言えば、戦闘中の艦船に残してもらえ、

衛星携帯電話も返してもらえて、まったく施錠もされていない船室から

自由に出て取材できちゃうんですからね。



次に戦闘関係。

えーっとまず序盤、偽装漁船を囮にした作戦にはまり、

潜水艦から対艦ミサイル攻撃を受け、空母いぶきが被弾し、エレベータが故障、

艦載機が使えなくなります。護衛の駆逐艦群は、何してるの?って感じです。

まあこの戦闘風景がチープで、ふふっと笑ってしまいましたw



艦載機の使えない空母いぶきに対し、敵空母は艦載機を小出しにしてきます。

そのたび対艦ミサイルを撃墜する描写が続き、はっきり言って飽きます。

それで2次攻撃時かな?10機の敵機に対し、

やっと直ったエレベータにより、艦載機のF-35JB、5機が発艦。

4機の敵機を撃墜したものの、1機のF-35JBを失い、パイロットはベイルアウトして助かります。

ここまで、エレベータの故障はないですけど、ほぼ原作どおりです。

・・・が!ここから改変が入ります。

なんとこのとき、敵のパイロットも救難されており、

空母いぶき甲板上で、一緒に担架で運ばれていくのですが、

敵国パイロットが、運搬中の自衛官から拳銃を奪い、F-35JBのパイロットを射殺しちゃうんです。

そんなわけあるかい!

そのうえ蘇生措置もまったくなしで、即死したことになってるしw

そしてそこに現れる記者さんが、ずっと撮影していると。

で、同じく現れた艦長が、敵国パイロットに優しくお話しし、許しちゃうんですwww

Oh・・・Love and Peace !

そんなわけあるかい!w



軍事的な考証ももう無茶苦茶ですw

最後の戦いのとき、迎撃のF-35JBを発艦させるのですが、

至近距離で対艦ミサイルを迎撃したため、破片が降りそそぎ、1機しか発艦できなくなるのですが、

艦長はその1機に、敵の空母への攻撃を命じます。

空対空ミサイルを積んだ迎撃装備のF-35JBで敵空母への単機攻撃。何がしたいのでしょうかw

まさか迎撃機に、対艦ミサイルを積んで空戦させてるって設定なのでしょうか。

ここでも、ぶふっと笑ってしまいましたw 素人でもおかしいって分かりますもん。



で、最終的には、国連常任理事国各国の潜水艦が現れ、停戦させると。

もちろんその中には中国さまも入っていますよw

最後の最後まで、お花畑満開でずるずる続き、

外交的にはこれがベストでしょうって感じでおしまい。



某国の拡大政策により南沙諸島に手を伸ばし、次は尖閣諸島という、

いかにもありうるという世界観で描かれる原作は、

いかにして日本はその状況を切り抜けていくかという、国難をテーマにしていますが、

映画版は、「平和を信じていればみんな仲良くなれるよ」みたいな、

なんともチープなテーマに書き換えられてしまったように感じました。



と、ここまで随分批判的な書き方をしておいてなんですが、

最後まで観てみると、これはこれでアリなのかも?と思ってしまう僕がいます。

かわぐちかいじ氏の漫画を、お花畑(悪い意味じゃなく)視点で描くと、

なるほどこういった捉え方の作品になるのだと。

重厚で、ある意味正論な作品が読みたければ、原作を読めばいいんですから。

納得できない部分も多いですが、ひとつの作品としては、結構楽しめたかなと

そういえば、随所にコンビニシーンが入るのですが、ここの店長が中井貴一さんで、

このあたり、映画「亡国のイージス」のオマージュなのかなぁ。

作品が、どことなく映画「亡国のイージス」の雰囲気に似ているから、そう思っただけかも。








今朝はしっかり晴れていたので、映画に行く前にウォーキングできました。

映画観ている間に天気は急変してて、おもっきり雨降りになっていましたけどね。

IMG_3125.png

歩数計というアプリを入れてみました。

猿吉さんに、よいアプリを教えてもらったのですが、初心者にはあまりに高尚すぎて、

簡単なアプリを使っています。


コメント

2019/06/09(日) 23:15:49 | URL | 今から #NvXTtAjQ
パソコン壊れてしまいました。
とても不便です;;。
映画、見てきたのですね。
時代背景にあった鋭い観察力でかかれた作品には熱が入りますよね!
逆に矛盾を感じると覚めてしまうという。
ウォーキング実行されたのですね。
こちらは風邪でダウンです。
喉と鼻がヒリヒリするのです<>。

今から さん

2019/06/11(火) 00:12:31 | URL | 大暗黒天. #-
> パソコン壊れてしまいました。
> とても不便です;;。
> 映画、見てきたのですね。
> 時代背景にあった鋭い観察力でかかれた作品には熱が入りますよね!
> 逆に矛盾を感じると覚めてしまうという。
> ウォーキング実行されたのですね。
> こちらは風邪でダウンです。
> 喉と鼻がヒリヒリするのです<>。

パソコン壊れちゃったんですか!
それは災難でしたねぇ。
風邪もひかれているそうで、ほんとお大事にしてくださいね^^

2019/06/11(火) 15:36:39 | URL | 名無しさん #-
この映画の評論は色んなトコで見掛けたけど、
著名無名問わず、ほんとどこで見掛けてもぴったり皆一致してるのが凄い

悪い意味でw

2019/06/11(火) 15:41:48 | URL | 名無しさん #-
もひとつ
そういえばこの作品
たしか福井晴敏氏が何らかの形で関わってるらしいのだけど
あの福井さんが関わってるのにも拘わらずこんな有様になってるのが
ホント不思議でしょうがない

福井さんの著作、軍事や地政学等を緻密に書くダイスシリーズは全部読んでるけども
そんな福井さんは何とも思わなかったのだろうか彼は。

名無しさん

2019/06/11(火) 21:49:08 | URL | 大暗黒天. #-
> もひとつ
> そういえばこの作品
> たしか福井晴敏氏が何らかの形で関わってるらしいのだけど
> あの福井さんが関わってるのにも拘わらずこんな有様になってるのが
> ホント不思議でしょうがない
>
> 福井さんの著作、軍事や地政学等を緻密に書くダイスシリーズは全部読んでるけども
> そんな福井さんは何とも思わなかったのだろうか彼は。

コメントありがとうございます。
作者のかわぐちかいじ氏も監修に入っているというのに、
かなりクオリティ低く感じましたね。

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